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そして ヤマカシ Yamakasi
日本では話題になったのかな、今一つ日本の話題ってものからちょっと距離があるのでよく知らないのだけれど、リュックベッソンの映画, Yamakasi。

YAMAKASI
/ パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
ISBN : B0001WTU44
スコア選択: ※※※※※



フランスにいる7人組のパフォーマンス・チーム「Yamakasi」(どうも「TAXi 2」のニンジャ役で出てたらしい。なるほど。)を全面的にフューチャーした映画なんだけど、フューチャーしたっていうだけで想像する「アイドルグループ○○の映画」っていうのとは本当に訳が違う。同じなのは、ストーリーが異常に単純で、彼らを見せるためだけに作ったでしょ、ってのがバレバレなところだけ。

彼らYamakasiは、素手で高いところにひょいひょい登っちゃったりするグループだ。
スパイダーマン風。そういえばフランスに「フランスのスパイダーマン」と称される人もいたっけな。フランス人てスパイダーマン系好きなのかも。

どうも主人は知り合いではないにしても、存在はよく知ってるらしい。主人の街Draveil近くにあるEvry出身らしいしね。その地域の人とか、そういうの好きなタイプの人たちに有名ってことかしらね。
どこでもひょいひょい登ってしまうから警察とかは気に入らず追い掛け回す。っていうのも映画にでてくるんだけど、これも本当みたい。登ってしまう本人達は「好きなことやってる」だけなんだけど、権威関係からは「勝手なことやってる。ばかにしてる」と捕らえられるみたい。
これも永遠の追っかけっこだね。

まあ、とにかく彼らの身体能力の美しさは見ていて、ぼーっとする。
舌をまくっていうか、息を呑むっていうか、すごい。で、本物。スタントなし。

この写真をみてもらえばわかる。Yamakasiだけじゃないんだけど雰囲気はおんなじ。
Yamakasiは下のほうにある写真がそう。
Yamakasi系 写真

映画でこれが動いているのが見れるのだ。これだけでもラッキーって感じだけれど、そこはかとなく「フランスの移民事情」がにじみ出ていて、ぐっとくる。
Yamakasiのメンバーは顔を見てもらえばだいたい想像がつくけれど、いわゆるフランス人の白人というタイプではない。どちらかというと裕福でない地域で、日々生きるための追っかけっこをしながら生きている感じだ。ドラッグとかの世界もそう遠くない。

押さえつけられ逃げ場もなく、フラストレーションがたまって、それこそ自分自身を表現するためにある意味壁を上る。それがわかってないと、この映画が大きく動いていく理由の根本がわからない。根が優しく純粋で、たまたま生まれた場所と環境が彼らから自由を奪っている。そんな中、自分自身の表現手段が人を傷つける。彼らはどうするか。

友人の警察官が語る。「しばらく壁を上るのをやめて、おとなしくしてろよ」
でメンバーの1人がいいかえす「壁を上るのをやめて、何するんだ。車でも燃やせってのか!」
突拍子もないことを言っているのではない。主人も主人の友人も、車を燃やされたことがあるし、燃やされた友人を数えたらきりがない。

そうして彼らは壁を上り、人を助ける。自分と自分の愛する人を守るため。刑務所に行ったり、危険な目にあったり。そんなことはどーでもいい。誰も守ってくれないから、自分で守る。

街には街のルールがある。法律は街のルールじゃない。どっかの映画でもおんなじこと言ってた。彼らは街のルールで正しいことをした。そんな「もー泣かせるじゃない、ありがちで単純な話」ってのに、妙にぐっときてしまうのだ。

フランスのそんな部分を見たい人、あるいはYamakasiそのものがカッコイイ!って思えそうな人、オススメです。
by oeuf1 | 2005-03-05 13:54 | 見る regarder
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