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ナイロビの蜂
冒険小説好きっていうのは前に書いたけれど、今日の紹介はナイロビの蜂。
ジョン・ル・カレというフランセな名前ですが、イギリス生まれ。もーうんざりするほど先の見えない冒険小説を読みたい方にうってつけ。
この人の冒険小説ほどすかっとしない冒険小説も珍しい。いつも奥歯に苦いものをかみつぶされたまま終わってしまう、そういう小説家です。

有名なのは、スマイリーという、非常に緻密な、でもうだつの上がらない、ひどいめにばっかりあわされる諜報部員の「寒い国から来たスパイ」。映画にもなったはずです。
孤島に2冊しか(1冊ではないところがあきらめが悪いけれど)本を持っていけないとしたら、1冊はこの「寒い国から来たスパイ」かも。もう1つは、うーん孤島に引っ越す前の日に決める。




とにかくよく出来ているし、人を楽しませる要素も、論理だてて細かいことを解明していくのも彼の得意技。特にこの「ナイロビの蜂」は上下刊があって、ここ最近の代表作ともいえるといわれている作品で、まいったなーすごいなーという仕上がりとなっています。

細かいことは冒険小説ですから書きません。ルカレの特徴として、映画のようにシーンが変わり、Aさんの立場で書かれたかと思うと、Bさんの立場で書かれるというふうに繰り返され、最後にAさんBさんのシーンが重なっていくのです。こんな小説は彼より他に書けない。圧倒的な筆力です。オススメです。

ナイロビの蜂〈上〉
ジョン ル・カレ John Le Carre 加賀山 卓朗 / 集英社
ISBN : 4087604500
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by oeuf1 | 2005-02-12 12:39 | 読む lire
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